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2016年成人式の振袖着付けの感想など(1)

成人式のお着付け中にお客様との会話やお持ち物などから感じ取れたこと再確認できたことなどをまとめてみたいと思います。

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学院やお教室でのお着付けをされた方々は、この後反省会などのお日にちが決められていらっしゃると思います。報告会はドキドキかもしれませんね。

2016年の成人式で着付師デビューされた方はお稽古の時とお着付け現場では全く違うこと、お稽古とおりには進められないことを目の当たりにされたのではないでしょうか?

お着付けの練習では現場をイメージしながら進めることも大事ですので、これからの練習はお客様が不快な想いをされない様配慮しながらの手の動きにしていかれますと、現場ですぐに役立ちます(^_-)-☆

練習で帯揚げを省略していた方はお客様の前でつい忘れてしまったり・・・ということがあったかもしれません。練習でも手抜きはよろしくない場合もありますね(^_-)-☆

前に書きましたこちらの内容、周りにこのようなお着付けをされていた方を目にされたらきっとお客様の表情をチラッとご覧になられたと思います。そのような余裕はなかったかしら?

【着付師】お胸を使う着付けを行わない理由


補整のし過ぎはお好みではない


私のブログでは補整のし過ぎはよろしくないということはもう何度も書いております。
今回のお着付けでも、お嬢様方はやはり作られた「いつもの自分とは違う」お身体はお好みではないようで、中には具合の悪くなってしまった方、苦しくて仕方がなかったという方も多かったです。
前撮りの写真だけ撮影して頂き、すぐにお着替えをされた方もいらっしゃいました(涙)
防弾チョッキのようで・・・という表現をされた方も・・・(涙)

確かにね、ボリューム満点の補整の量でした。これ全部つけたのですよね?と再確認したくなるほどの量。いくら着物に慣れているワタシでもこれほど身体にくっつけられてギュウギュウニされたらたまりません。お出かけところではなくなるでしょう。

前撮りで使った補整一式を成人式当日もご準備されていましたので、その見事な補整の量にビックリでした。そしてその綿花を包んでいる晒やガーゼも半端なく長さのあるもので、これを全て身体に巻きつけられた時、ガーゼや晒のミミの当たりを考えて巻いてくださったら幾分良いにしても、もしその配慮がなかったら息をするのも苦しかったであろうことは想像できます。
せめてこの半量でも良いのでは?花嫁さんではないのですから・・・とお気の毒で仕方がありませんでした。

でもこの作られた身体の仕上がりがお好みのお客様のいらっしゃるでしょうから、一概には否定することはできません。
その為お客様には確認をさせて頂いています。前撮りの時のお着付けの状態、その時に使用された補整を今回も使用したお着付けにされるかなど。

すると、
  • 苦しかったので・・・

  • 体調が悪くなってしまったので・・・

  • 太って見えたので・・・

と、出来れば補整は控えてほしい・・・というお返事です。

それでしたら!ということで、前撮りに使用された補整品は一切使わず、タオル補整と私が持参した補整用品でお着付けさせて頂きました。
※綿花は着付け中に裂いたりすると毛羽立ちで気管の悪い方には着付けどころではなくなるため使用しません。暖房や冷房がついている時は特に風で舞いますので。

特製の補整で自然な衿元で着上がると「全然苦しくな~い♪」と素敵な笑顔を見せて頂き、こちらも嬉しくなります。前撮りの時はどれほど苦しかったのかを考えると辛くなりますが・・・。

特製の補整方法はこちらのテキストの方法になります。

DLmarketで購入
【着付師【補整1】美しい衿元のために※衿下補整の型紙付き】


足りないところには補わないと表に影響しますのでその部分に補整は絶対に必要です。それよりも更に補整を重ねたい場合にはお身体を優しく覆うくらいがちょうど良いのではないかと思います。

お母様が和装ブラジャーをご用意されていた方はより美しい胸元になっておりましたので、和装肌着もやはり大切になりますね。

▼和装ブラジャーの生地はこちらにまとめております
和装ブラジャー

補整のし過ぎがお好みならたっぷりと、自然体がお好みならば茶筒の体型にする為に足りない部分に補う量で充分ですからお客様のお好みご要望に耳を傾けられる環境であればお望み通りの着付けになりますね。
私は幸い全てにおいて伺いながら進めさせて頂ける環境ですが、そのような環境にない場合には苦しい部分ですよね(涙)


お客様とのコミュニケーションから始まる着付け


おめでとうございますのご挨拶から始まり、お着付けが進みます。
帯結びではご希望があればご希望に合わせた帯結びをさせて頂くわけですが、帯結びに入るまでにコミュニケーションが上手に取れていると、お客様は気持ちが晴れ晴れとされ、帯結びの仕上がりを心待ちにされますが、コミュニケーションが上手に取れていませんとお客様は不安な気持ちでいっぱいになっていると思います。

  • どんな帯結びにされるのかしら?

  • 変な帯結びだったどうしましょう・・・

  • イメージしてきたんだけど言った方が良いのかな?言ったら悪いかな?

  • リクエストしたら嫌な顔されるかしら?

  • 前撮りの時と同じ帯結びが良いんだけれど・・・

  • 前撮りと同じは絶対に嫌なんだけれど・・・

  • 前撮りと違う雰囲気にしてほしいんだけれど・・・

など、いろいろと心の中でつぶやいていらっしゃると思います。

お客様が気を遣ってくださっているのですね。
初めてお会いしてお着付けをさせて頂くことがほとんどですので、お客様も着付師もともに気を遣いあいます。せめて思っていることは口に出して頂けたら・・・と思いますね。気を遣って頂く雰囲気にしてはいけないのですね。

着付師は学んできた技術をフルに生かして、ご希望通りのお着付けにさせて頂くことがお仕事ですからご要望があればぜひ!と思います。

でも言いにくい雰囲気のままでしたら、最初はタイミングをみて言ってみようかな?と思っていてもそのタイミングが見つからないと徐々にあきらめムードに気持ちが変わってしまいます。

お客様に何も言って頂けないとお望みを叶えて差し上げられない訳ですが、言って頂ける雰囲気を出すのは着付師の仕事ですので、コミュニケーションをとりながらお着付けすることで、全てとまでは行かないかもしれないですが、帯結びのご要望、イメージは伝えて頂けるかもしれません。伝えやすくなっているかもしれません。

ですからお着付けに入ったらどのような想いで今日を迎えられたのか、ご家族様の想いなどもうかがうことが出来ると着付け技術以外にもお喜び頂ける部分が出てくると思うのです。

帯結びのご希望を伺えたなら、練習してきた帯結びの中からおすすめの帯結びについてお伝えできますね。
帯結びをご覧頂き、喜びの自然な笑顔に変わった時、着付師は心の中でガッツポーズ♪成功です。


こっちが前撮りだったらよかったのにね・・・


お客様のお言葉です。
お着付けが終わりお母様が仕上がりをご覧頂き、お褒めのお言葉を沢山頂きました。

  • (前撮りの時と)同じ着物とは思えない

  • これは何かつけたの?(帯揚げで作ったお花です)

  • 帯結びすごく良いじゃない!(前撮りの時と)全然違う!

帯揚げのお花では、絞り部分を綿球で包み周りに帯揚げの端(絞りでないところ)を回りにふわふわ~と仕上げたものですが、シボのある部分を綿球で包むと絞りへの影響があるため、お嬢様に確認をさせて頂きましたところ了承を頂きましたのでそのように仕上げました。

お母様にお会いした際にもお伝えしまして、帰宅後の扱いもお伝えしましたが、全然問題ありませんとのことで、それよりも何よりもそのお花をとてもお気に召して頂き、まさか帯揚げで作ったとは思われなかったようです。そこまでお喜び頂けて嬉しい限りなのですが、前撮りの時はどのような感じだったのでしょう、そう考えると胸が痛みます。

お母様もお嬢様もとてもお喜びで美容室内で何枚もお写真を撮られておりました。その間、先程のお言葉を口にされておりました。

成人式当日よりも、前撮りの方が時間的にも余裕があり希望も叶えてくださると思うのですが、そうではないのでしょうか・・・。お母様のお振袖一式の方でした。


リクエストの帯結びは、「前の方と同じがいい」


このお言葉を頂くとやっぱり嬉しくなります。
どのような帯結びをイメージされているのかが分かりますし、前の方に結びあげた創作帯結びを「ステキ♥」と思って頂けたことにこちらのテンションも上がります。

ただ、全く同じ帯結びには致しませんので、お持ちの帯お振袖に合わせ多少のアレンジを加えさせて頂き仕上げます。その間ご希望を伺いながらアレンジしていきますと、イメージ通りと思って頂けたかは分かりませんが、ふっと自然な笑顔には変わった瞬間がお客様からOKを頂いた時となりますのでホッと致します。

今回7名様のお着付けの時には、古典を残しつつの創作、折りひだをたっぷりと取ったった現代的な創作でした。お一人様には薔薇を作らせて頂きました。元日にもお着付けをさせて頂きました方で、その時素敵な薔薇の袋帯でしたのでその日に結ばせて頂こうか成人式に結ばせて頂こうかを迷いまして、私の判断でしたが薔薇の創作帯結びは成人式当日に!と思っておりました。
とてもお喜び頂けて嬉しかったです。お母様やお友達にもご好評だったようで、ご報告を頂き安堵いたしました。


美しい折りひだにこだわる


創作帯結びは着付師によってアレンジの幅が無限大です。帯質や色柄、そして帯結びの組み合わせで様々な変化が生まれます。
お持ちの帯によって帯に合った帯結びというのがいくつかに分類されますが、どのような帯結びでも折りひだだけにはとことんこだわりたいと思っています。手を抜くと仕上がりにひびきます。
美しいと思える折りひだであれば、帯結び自体はそう凝ったものでなくても充分です。

どんなに凝った帯結びでも全体がまとまっていなければゴチャゴチャした帯結びとなりますし、ゴチャゴチャしている分、帯へのダメージもかなり大きいはずです。お客様にとっていいことはなくなりますので、折りひだにとことんこだわります。折りひだを美しく取っていると、崩れにくくもなります。

横になってしまうお羽根を無理に立たせている訳ではありません。ひだを取っていくうえで自然と立ち上がるお羽根を作っていれば手を加える必要はなにもなく手間がかかりません。
帯質に合った折りひだの作り方で幅を広げると、その帯に相応しい創作帯結びに仕上がります。相応しくない場合には崩れなどにもつながってしまいます。


帯を結ぶVS結ばない


今回のお着付けでは、結ばずに仕上げさせて頂いた方がお二人いらっしゃいました。
結ばない方法のみで!とも思っておりましたが帯結びによって変えました。帯の長さや帯質によって、またお持ちの着付け小物や帯締めなどによって結ぶ方法と結ばない方法の二つを使い分けました。

結ぶことで結ばない時にはできないこともありますし、その逆もあります。どちらを選び仕上げれば良いのかは瞬時の判断ですが、その判断が成功だったのか失敗だったのかはお着付け上がりのお客様の表情で決まります。


着付けによって別物のように見えてしまう着物姿


着付け上がりをご覧になられたお母様が仰った言葉なのですが、着付け方によって雰囲気も変わって見えるのですね。その方は帯を2本お持ちになりました。前撮りと同じ帯ともう1本は別の帯です。どちらを合わせてもステキなコーディネートでしたが選択されたのは前撮りと同じ袋帯でした。ですから前撮りと同じコーディネートということになりました。

同じお振袖と袋帯、小物なども同じなのですが、お嬢様の着姿を見た瞬間に「同じ着物とは思えない」とのご感想でした。着付け方で雰囲気は変わりますよね、確かに。
総絞りのお着物でしたので、スッキリと見える仕上がりに気をつけました。
またお袖が床についてしまう長さでしたので、床につかない長さになるように配慮しながらお着付けさせて頂きました。その点もお喜び頂けて良かったです。


透明ゴムの出番が多かった♪


帯締めのアレンジや髪飾りを帯結びに使用される方が多くいらっしゃいました。

前撮りと成人式当日では整え方に配慮が必要です。
前撮り用ですと写真撮影をしお祝いのお席があってもご家族様と過ごされることが多く、ご家族様の愛情で至れり尽くせりですからあまり動くことはなく過ごされることが多いかと思います。しかし成人式当日はお友達と一緒の行動で、動きが前撮りの時と比べ幾分活発になります。荷物もご自分で持たなければなりません。

帯締めや帯揚げは、膝の上に置いたバッグなどの荷物が当たりやすく、立ったり座ったりする際が要注意ですね。その時に崩れやすくなります。その為このような動作にも崩れない様に仕上げなければなりません。前撮りと同じような着付け方法という訳には参りません。

帯結びもそうですね、崩れにくいまとまりのある帯結びに仕上げませんと可哀想な結果となります。特に飾り紐などをつけられる場合の結び方は解けない工夫をしないといけません。万が一外れてしまって紛失されたら大変です。後ろは特にご自分では見ることが出来ませんのでね。
紐類は流れで防げますが髪飾り(Uピンで止まっている小さな飾)などは完全な固定には慎重にならないといけません。今回は固定のため擦ってもゴムの影響がない変化・創作帯結び用【透明ゴム】 を使用し、完全に固定をした仕上げにしました。なにかにあたっても大丈夫!飾りが外れる心配なしです。


書き過ぎましたね(;^ω^)


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カテゴリ: 着付け技術